初心者向け!職人が独立するための経理・税務知識を紹介!
2025/03/14
職人として独立することは、自分の技術を活かして自由に働ける魅力的な選択肢です。しかし、「経理や税務がわからない」という理由で、独立後にトラブルに直面する人も少なくありません。特に年度末の3月は「確定申告」「決算」「税金の支払い」など、経理面での重要な時期です。資金準備ができていないと税金の支払いが難しくなり、事業継続が困難になることもあります。
本記事では、独立時に最低限知っておくべき経理・税務の基礎知識を解説します。年度末の資金管理やトラブル対策についても触れながら、安定した経営を続けるためのポイントを紹介します。
■独立前に知っておきたい経理の基礎
独立すると、これまで会社が代行していた経理を自分で管理しなければなりません。経理とは、「お金の流れを記録し、事業の状況を把握する作業」です。この作業を怠ると、収支の管理ができず、赤字や税金の滞納につながる可能性があります。
・経理の役割とは?
経理の基本的な役割は、大きく分けて三つあります。
一つ目は、「事業のお金の流れを記録すること」です。どこから収入が入り、何にどれだけのお金を使ったのかを正確に把握することが大切です。二つ目は、「税金の計算をすること」です。毎年、確定申告の時期になると、収入や経費をもとに納めるべき税金を計算し、申告しなければなりません。三つ目は、「資金繰りを管理すること」です。たとえば、材料費の支払いが来月に迫っているのに、今の時点で十分な資金がない場合は、何らかの対策を考えなければなりません。こうした経理の作業を怠ると、思わぬトラブルに直面することになります。
・青色申告と白色申告の違い
独立後は確定申告をする必要がありますが、その方法には「青色申告」と「白色申告」の二種類があります。結論から言うと、多くの場合、青色申告を選んだほうが節税のメリットが大きくなります。
青色申告をすると、最大で六十五万円の所得控除が受けられるため、税金を減らせる可能性が高くなります。ただし、青色申告をするためには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要があります。また、白色申告よりも記録しなければならない情報が多くなりますが、近年は会計ソフトを使えば、それほど手間をかけずに対応することができます。
・経理の負担を減らす「会計ソフト」
経理を自分で行うのが不安な場合は、会計ソフトを活用すると便利です。現在、多くの職人や個人事業主が会計ソフトを利用しており、これらのソフトを使うと、銀行口座やクレジットカードと連携し、自動的に収支を記録できます。領収書をスマートフォンで撮影するだけで、経費として登録できる機能もあるため、経理の負担を軽減できます。
・経費にできるもの・できないもの
経理を行う上で重要なのが、「どの支出が経費になるのか」を理解することです。経費とは、事業を運営するために必要な支出のことを指します。たとえば、仕事で使用する材料費や工具代は経費に含まれます。また、現場への移動にかかる交通費や、仕事で使用するスマートフォンの料金も経費として計上できます。
一方で、個人的な食事や家族旅行の費用など、仕事に直接関係のない支出は経費にはなりません。プライベートな支出と事業の支出をしっかり区別することが、正しい経理を行う上で大切なポイントです。
■独立後に注意すべき税務知識
職人として独立すると、確定申告や税金の支払いなど、税務に関する手続きが必要になります。これまで会社が代行してくれていた税務処理をすべて自分で行わなければならないため、知らないままでいると「税金が思ったより高かった」「期限を過ぎてしまい延滞税が発生した」などのトラブルにつながることもあります。ここでは、独立後に特に注意すべき税務知識についてわかりやすく解説します。
・開業届と青色申告承認申請書の提出
独立したら、まず税務署に「開業届」を提出する必要があります。これは「個人事業主として事業を始めました」ということを税務署に知らせるための手続きです。提出しなくても罰則はありませんが、確定申告の際に青色申告の特典を受けられなくなるため、開業するなら早めに提出しましょう。
また、青色申告をするためには、「青色申告承認申請書」を税務署に提出しなければなりません。これを提出すると、最大65万円の控除が受けられるほか、赤字を3年間繰り越せるなどのメリットがあります。ただし、申請の期限があり、開業から2ヶ月以内に提出しないとその年は青色申告ができなくなるため注意が必要です。
・消費税の仕組みと免税事業者の選択肢
独立したばかりの職人が最初に知っておくべきなのが「消費税を納める義務があるのかどうか」ということです。原則として、年間の売上が1,000万円を超えると、翌々年から消費税の課税事業者になります。
たとえば、独立した1年目の売上が800万円で、2年目の売上が1,200万円だった場合、3年目から消費税を納める義務が発生します。ただし、「インボイス制度」の影響で、取引先によっては「免税事業者だと契約を見直す」と言われるケースもあるため、仕事の内容や取引先との関係を考慮しながら判断する必要があります。
・住民税・事業税・所得税の計算方法
独立すると、会社員時代とは異なり、収入に応じて「住民税」「事業税」「所得税」などを自分で納めなければなりません。特に所得税は、収入が増えれば増えるほど税率が上がる「累進課税制度」が適用されるため、売上が伸びた場合には思った以上の税額になることもあります。
たとえば、売上から経費を引いた「課税所得」が330万円以下なら税率は10%ですが、330万円を超えると20%、695万円を超えると23%と、段階的に税率が上がっていきます。そのため、「今年は売上が伸びそうだ」と思ったら、適切に経費を計上したり、節税対策を考えたりすることが重要になります。
・確定申告のスケジュールと準備
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。期限を過ぎると、延滞税や無申告加算税が発生することもあるため、余裕を持って準備を進めましょう。
確定申告をスムーズに終わらせるためには、日頃から経理の記録をこまめに行うことが大切です。特に、レシートや領収書を整理し、会計ソフトを活用して日々の収支を管理しておくと、申告の際に慌てずに済みます。また、確定申告は「e-Tax」を利用すると、自宅からでも簡単に申請できるため、積極的に活用すると良いでしょう。
■ 独立後の経理トラブルと対策
職人として独立すると、仕事のやりがいが増える一方で、経理のトラブルに直面することもあります。特に、お金の管理や税務処理に慣れていないと、「資金が足りなくなる」「税務調査で指摘を受ける」「経理が負担になって手が回らない」といった問題が発生しがちです。ここでは、独立後に起こりやすい経理トラブルと、その対策をわかりやすく解説します。
・資金ショートの危機
独立後に最も多いトラブルが、「資金ショート」、つまりお金が足りなくなる状況です。仕事が順調であっても入金が遅れ、材料費や税金の支払いができないケースもあります。この問題を防ぐためには、固定費を抑え、売掛金の回収を早めることが重要です。取引先と「支払いサイトの短縮」を交渉するのも有効な方法です。
・税務調査のリスク
税務処理を適当にすると税務調査で指摘を受けることがあります。経費の計上ミスや売上の申告漏れが問題視されやすいため、領収書や請求書をしっかり保存し、帳簿を整理しておくことが重要です。会計ソフトを活用すれば、帳簿作成を自動化できるため、正確な記録を残せます。
・経理が苦手な場合の対策
「経理作業に時間を取られて、本業に集中できない」「数字が苦手で、どう処理すればいいかわからない」という悩みを持つ人も多いでしょう。その場合、無理にすべてを自分でやろうとせず、外部の専門家やツールを活用するのがおすすめです。経理の負担を軽減しながら、本業に集中できる環境を整えることが、安定した経営を続けるためのポイントになります。
■まとめ
職人として独立すると、技術力だけでなく、経理や税務の知識も必要になります。特に、資金管理や税務処理がうまくできていないと、事業の継続が難しくなることがあります。そのため、経理や税務の基本をしっかり押さえ、適切に対応できる仕組みを整えることが大切です。
職人としての独立を成功させるために、経理や税務の知識を活かしながら、安定した経営を目指していきましょう!
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